ストレートな8ビートにけっこうな単語量を作詞の新藤晴一が詰め込みながら、時にハネつつも軽妙に歌う岡野昭仁のヴォーカル技量が光るデビュー曲。 アポロ計画の進化を技術進歩の象徴ととらえ、そこに人心の進歩は追いつくのか？あるいは逆に、進歩の中にも変わらないものもあるのでは？　という深いテーゼがある。
Written by Akira Saeki

アタック・リズム系ギターリフをアコースティック・ギターとベースがさらに補強していき、サビではじける展開の曲。リズム・アレンジとメロディの融合が秀逸なため、そこに留意すると、知らぬ間に楽曲世界に引きずり込まれるナンバーである。
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デモ音源を初めて聞いた時に、曲のイントロがラジオのジングルに聞こえたことから着想し晴一が作詞したナンバー。ゆえに、メロディ付きのラジオ・プログラムを聴いているような不思議な気分になる。その不思議さは、4つ打ち系の楽曲ながらべードラ（＝バスドラム）をデフォルメしているわけではないところにも出ていると言えるだろう。
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ベースリフが骨格となるラテン系アレンジメントが特色の、PGにとって初のチャートNo.1に輝いた楽曲。歌詞は、女性を主人公にしたいわゆる“女歌”である。しかしながら、男性の中にもある女々しい部分を、晴一は描いている。それを昭仁が歌うと、心の雲に晴れ間が差すようになるのである。
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作詞をハルイチ（新藤晴一）がおこなっている、メジャー・デビューする前からストックされていた曲。ロングトーンのスライドギターは、降りしきる雨の音で思い出される“呼びあった２人”の道程を表現しているのだと思う。スキのない1曲。
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南アメリカ・アンデス地方の民族楽器“サンポーニャ”の音をサンプリングして配した、ドラムレスのラテン系ナンバー。記名的な楽器音や特定のリズム・パターンを使いながら、歌詞を含め“どこでもないどこか”を創出しようとするPGの意思が感じられる。
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初のニューヨークでのレコーディングによって完成・リリースした楽曲。ピアノやストリングスが昭仁のヴォーカルに寄り添うように端正にレコーディングされている。
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ブレスのむずかしいメロディを持つPG史上もっとも長いタイトルのシングル楽曲。昭仁は主メロをダブル（2声）で録音したり、コーラスを付けたりと細かい作業をしている。晴一の歌詞にはマイケル（・ジャクソン）も登場。
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低音弦のギター・リフとホーン・セクションの絡みがとても展開速く、スリリングなダンス・チューン。踊ってもよし、熟聴してもよし、の楽曲と評価できるだろう。「無限の楽しみは夢幻へと通じる」という真理に近い曲でもある。
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スネアの位置を注意深く聴いていくと変拍子の渦の中に入っていき、どこに終点があるのか？　即座にはわからなくなる技巧的な楽曲。こうした曲をシングルとしてリリースできるPGの冒険心に拍手を送りたい。
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メロトロンの音やレズリーのスピーカを通した音が、聴く者の耳をとらえて放さないPGの幻想的楽曲のひとつ。シングル・ナンバーとしては、昭仁が初めて作詞＆作曲した楽曲でもある。もともとのシングルは“3曲でひとつの世界”を表現していた。
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「月」と「自己犠牲」を主題にして晴一が歌詞を書いた。よって、オープン・エアのライヴでは、月がよく見え始める後半の時間帯に演奏されることが多い。アニメ「鋼の錬金術師」の初代のテーマ曲となったため、“ハガレン”を代表するナンバー足り得ている。その経緯もあり2013年7月、LAでおこなわれたAnime Expo 2013でのワンマン・ライヴでも演奏し、長らくPGを待っていた現地ファンを魅了した。
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“My name is Love”というリリック一節があることからもわかるように、晴一は“愛”を擬人化している。そのことにより、愛そのものが人々にどのように作用するのかがよくわかる歌詞になり、加えて昭仁が歌っていることにより、彼が愛の使者にも感じられる楽曲。
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リズミックで簡潔なギターリフが骨格になっているナンバー。当然のこと、譜割りもむずかしく、昭仁は高い技量でサラリと歌っているが、難易度が高いことは言うまでもない。シングルとしてこの曲をリリースしたのは、PGの自信の表れなのではないだろうか？
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マーチング的なスネアのクローズド・ロール（ザーっという音）が印象に残る楽曲。晴一と昭仁の2人になってから初めてリリースしたシングルでもある。どこか東ヨーロッパというかスラブ地方を感じさせるメロディが「シスター」というタイトルとも相まって、悲しげに響く。
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管楽器（ホーンセクション）と弦楽器（ストリングス）を効果的に配した楽曲。そのためか、ミディアム・チューンであるのに切なさと明るさが微妙に同居した、独特の“楽曲風情”を作り出している。晴一の作曲能力の深化であろう。
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16ビートをさらに際立たせるために、昭仁が絶妙な譜割りをリズミックに歌っているのが「ネオメロドラマティック」。一方で、「ROLL」はハネ気味のリズムを落ち着かせるように昭仁は歌っている。ちなみに『ネオメロ～』の作詞は晴一、「ROLL」は詞曲とも昭仁である。
Written by Akira Saeki

16ビートをさらに際立たせるために、昭仁が絶妙な譜割りをリズミックに歌っているのが「ネオメロドラマティック」。一方で、「ROLL」はハネ気味のリズムを落ち着かせるように昭仁は歌っている。ちなみに「ネオメロ?」の作詞は晴一、「ROLL」は詞曲とも昭仁である。
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トーキング・モジュレータを使った晴一のギター音（イントロに顕著）が、夏の暑気ばかりでなく懐かしさをも連れて来る、いわば“風通しのいい”楽曲。PGの故郷である因島の瀬戸内に沈む夏の夕日を想起するといっそう深みが増すだろう。
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2度目のダブルフェイス＝両A面シングルとなった2曲。ラテン風アレンジメントがほどこされた「ジョバイロ」は、もはやひとつの持ち味となったPGの保証付き楽曲であり、「DON’T CALL ME CRAZY」は転調してからのサビが、疾走感を導き出す。
Written by Akira Saeki

2度目のダブルフェイス＝両A面シングルとなった2曲。ラテン風アレンジメントがほどこされた「ジョバイロ」は、もはやひとつの持ち味となったPGの保証付き楽曲であり、「DON’T CALL ME CRAZY」は転調してからのサビが、疾走感を導き出す。
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ベースに亀田誠治を迎え、PGが考えるバンドサウンドに向かって制作されたのではないか？　と思わせる精密で、時にワイルドなノリと鳴りを持つナンバー。「明日の忘れ物は今日にある」という晴一の書いた必殺の一行も存在する。
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昭仁が吹くクロマティック・ハーモニカが、哀愁と希望をないまぜにしながら響く、感動的なミディアム・チューン。ドラム・パターンとその質感からは、ザ・ビートルズが後期で開拓したサウンドの影響をうかがい知ることができる。
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晴一のギター・リフに寄り添うようにユニゾンするストリングスが、楽曲に切れ味を加味している。昭仁の作詞作曲によるシングルが、「Winding Road」と本作で2作続いた。彼の楽曲が熟成したことを感じさせる。
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PGにとって初めての映画主題歌、映画作品は『奈緒子』である。映像を喚起するような晴一の作詞と、それを噛み砕きながら歌っているがごとき昭仁のヴォーカリゼーションが光っている。晴一のスライド・ギターにも注目。
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イントロでサックスが炸裂する8ビート楽曲。その結果、曲に艶っぽさが付帯し、どことなくレトロスペクティヴな感覚も生まれた。曲のタイトルからはファニーな印象を受けるが、歌詞ではシリアスな心情を描いている。
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8分のギター・バッキングとドラムスのリム・ショットが、楽曲にある種の透明感を与えている。ギター＆ヴォーカルというPGの原形を今一度見据えながら作成したのではないかと思えるナンバーである。
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晴一のファンキー・カッティング・ギターが耳に残るPGのラテン系ナンバー。ホーン・セクションとの絡みといい、昭仁の表情豊かなヴォーカルといい、“1曲で何か1本の映画を見ているような”、そんな感覚にしてくれる。
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作詞を晴一が、作曲を昭仁が担当し、昭仁が率先しておこなったプログラミングが“硬質なセンチメンタリズム”を伝える楽曲。『劇場版BLEACH Fade to Black』の主題歌として、この楽曲のポテンシャルは、遺憾なく発揮された。
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詞曲を晴一が手がけた楽曲であり、思いの深さを丹精込めて描こうとする細やかさが、歌詞はもとより“メロディの行き方”に感じることができる。こうしたミドル・バラッドを聴くと、作曲者＝晴一の気持ちがわかってしまう昭仁との結びつきの強さを感じる。
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“Tu-Ru-Tu-Tu-Tu-Ru”という言語化されていないパートも、リリック上、重要な役割を担わされていると思えるナンバー（詞曲は昭仁によるもの）。歌詞そのものは熱情の在りかが歌われているのだが、熱情をさらに熱くするための鋭いアイデアが随所にちりばめられていると思う。
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イントロ＆アウトロにフィドル＝ヴァイオリンをフィーチャーした3拍子楽曲。歌詞内主人公が女性である、いわゆる“女歌”（作詞は晴一）で、男性が女性心理を描くことで如実に表れるであろう心の綾が綴られている。速いピッキングの晴一のギター・ソロも効果的。
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イントロに顕著なタムを回していくドラミングから、サビの４つ打ちディスコ調となる展開が実にポップなアッパー・チューン。詞曲は昭仁が担当し、彼の屈託のない視点が全開示されたものとなった。ちなみに曲のタイトルにアイデアを出したのは、晴一である。
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“どうしようもないことだってあるんだ”という晴一の書いたリリック一節が、東日本大震災とどこかでリンクしているように思ってしまうのは、果たして僕だけだろうか？　この曲がリリースされた9日後に大震災は起こった。ある意味で、PGの“情け深さ”を感じる。
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楽曲ごとに、最善と思われるアレンジャーを配していくやり方をスタートさせた最初のシングル。東日本大震災後、初の楽曲でもある。音とビートの加速感を覚えさせるような細かいサウンド・トリートメントが光るけれども、無論、楽曲の大いなる骨格は、昭仁のヴォーカルと晴一のギターである。
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晴一の弾くガットギターの音色とストリングスが、しんしんと降り積もる雪を想起させるPGのシングルとしては、初のウィンター・ソング。昭仁が熱唱しているのも、暖かい室内を感じさせる要因になっている。“味わう”に足る楽曲であろう。
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過去に「煙」などのカップリング曲においてPGと共同アレンジをしてきたtasukuとタッグを組み、表題曲へと結実した楽曲。バンド・サウンドの合間を縫って速射されるような速い展開のヴァイオリンが、“抜き差しならない2012年”を照らし出しているようだ。
Written by Akira Saeki

パーカッションと晴一のアコースティック・ギターがゆったりと響きあう、PGにとっては珍しいタイプのスロウ・バラッド。昭仁の倍音の多いヴォーカルに少しのビブラートがかかると、一種の癒し効果が生まれることもよくわかる楽曲に仕上がっている。
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ストリングスとドラムスが“ブレイク”のような“瞬間音が止まる箇所”を作っており、それが動と静を矢継ぎ早に楽曲へ盛り込んでいく。照明で言えばデータ・フラッシュ。自然現象で言えば、星の明滅である。実に正論的アレンジメントだ。
Written by Akira Saeki

デビュー15年目を迎えたPGからの第1弾シングルは、懐かしい音楽要素を集めて新しさとする貪欲挑戦ナンバー。80年代的シンセ・リフとサックス・ソロは、眠りかけていたガムシャラさに火を点け、欺瞞にあえぐ世の中の煙幕を一掃していくようだ。胸の透くような楽曲である。
Written by Akira Saeki

ベース＆ドラムスとホーン・セクションとの丁々発止のやり取りを、時にジャジーに聞かせながら展開していく楽曲。晴一のギターソロがホーンとユニゾンしていて、音の切れ味が増強した。昭仁の書いた男臭いリリックにも耳目を集中させたい。
Written by Akira Saeki